クイズ形式で学ぶ!鑑定人試験対策:問1電気全般

損害調査鑑定人試験電気

出題傾向は主に基礎的な電気工学の概念、法則、単位、装置に関連するものが多いようです。

まずは、基本概念から電流、電圧、抵抗、コンダクタンスなどの基本的な電気工学の概念をしっかり理解する必要がありそうです。

オームの法則、キルヒホッフの法則、ファラデーの電磁誘導の法則など、重要な法則をしっかり理解・学習することに加え、過去の問題からは、さまざまな電気装置(例:トランスフォーマー、電動機、発電機)や技術(例:三相交流、半導体技術)の基本的な特徴と用途を学ぶ必要があると言えます。

※以下のクイズ問題は、損害調査鑑定人試験3級の過去問題から抜粋しております。

電気全般に関する問題

1 / 42

導体の断面を通過する電気量が1秒間に( 1 )であるときの電流の大きさを1ア
ンペアという。

2 / 42

電流計の測定範囲を拡大するために、電流計に並列に接続した抵抗器Rsを( 2 )という。

3 / 42

電流の流れやすさを表すには( 3 )を使い、その単位は[S/m]である。

4 / 42

エネルギー密度が高く、ニッケル・水素蓄電池に比べて小形、軽量にできる( 4 )電池は、携帯電話やノートパソコンなどの携帯機器や電気自動車などの電池として幅広く使用されている。

5 / 42

結合係数は、一次コイルと二次コイルの磁束による電磁的な結合の度合いを示す係数で、( 5 )の程度を表している。

6 / 42

電気エネルギーが、単位時間あたりにする仕事を( 1 )という。

7 / 42

( 10 )は、商用周波数(50Hz および 60Hz)の交流電圧計や交流電流計として広く用いられている。

8 / 42

電気計測において「0.02」という数値が示された場合、この数値の有効数字の桁数は( 9 )桁である。

9 / 42

磁界中のコイルが1回転すると、回転角θは 360°または2π[rad]変化する。このときの単位時間当たりの角度の変化を( 7 )という。

10 / 42

コンデンサに電荷が蓄えられることを( 6 )という。

11 / 42

家庭で使用している 100Vの正弦波交流電圧の最大値は、( 2 )[V]である。

12 / 42

誘導起電力によって生じる電流が、コイル内の磁束の変化をさまたげるような向きに発生することを( 3 )の法則という。

13 / 42

半径が1mの円の場合、円弧の長さが1mになるような円の中心の角度が( 4 ) である。

14 / 42

平行板コンデンサの電極板の間に入れる( 6 )の種類を変えると、静電容量の値が変わる。

15 / 42

フレミングの左手の法則は、導体に流れる電流の向き、磁界の向き、( 7 )の向きの関係を説明している。

16 / 42

温度が上昇すると抵抗が減少する物質の抵抗温度係数は( 10 )である。該当する 物質には、サーミスタのほかに、炭素、電解液などがある。

17 / 42

コンセントにプラグを差し込んだ際に、( 1 )抵抗が大きいと、その部分に発生するジュール熱が大きくなり、火災等の原因となることがある。

18 / 42

電気力線の数をε倍した新たな線を( 2 )といい、単位は電荷と同じ[C]が用いられる。

19 / 42

誘電率εは、( 3 )のたくわえやすさを表すものといえる。

20 / 42

一次電池として広く利用されている電池には、( 5 )がある。

21 / 42

キルヒホッフの第2法則は、( 6 )に関する法則である。

22 / 42

以下の選択肢の中で最も抵抗率が小さいのは( 7 )である。

23 / 42

送電線のように、家庭で使用する交流よりも大きな電力を経済的に送る場合には、( 8 )交流を使う。

24 / 42

コイルを長方形に巻いた方形コイルを磁界中に置き、電流を流すと方形コイルには( 9 )が生じる。

25 / 42

下図のように、磁石を近づけたり遠ざけたりすると磁束が変化し、その磁束の変化によって生じる起電力を( 10 )起電力という。

26 / 42

永久磁石可動コイル形計器の可動コイルは、ピボット軸受けによって支えられているものがある。この場合の( 10 )装置は渦巻ばねによることが多い。

27 / 42

対称三相交流起電力の瞬時値の和は、つねに( 9 )である。

28 / 42

電流によって生じる磁界の大きさH[A/m]は、アンペアの周回路の法則や( 6 )の法則から求めることができる。

29 / 42

下図において、m1、m2は磁極の強さを表し、その単位記号は( 5 )を用いる。

30 / 42

光エネルギーを電気エネルギーに直接変換する( 4 )は、住宅用からメガソーラー発電所用まで普及している。

31 / 42

任意の点の電位とは、無限遠点と任意の点との電位差であるが、一般には( 3 )を零電位とする。

32 / 42

抵抗率が導体と絶縁体との中間にある( 2 )は、半導体とよばれる。

33 / 42

50Ωの抵抗のコンダクタンスGは、( 1 )ジーメンスである。

34 / 42

直動式指示電気計器は、主に駆動装置、( 10 )装置、制動装置の3つの装置で構成されている。また、これらの3つの装置は、電気計器の三要素という。

35 / 42

下図の三相交流回路のように結線する方法を、( 9 )という。

36 / 42

家庭や工場で使われている商用周波数は、富士川以東では( 7 )Hz である。

37 / 42

以下の選択肢において、20℃における抵抗温度係数が最も大きい金属は( 6 )である。

38 / 42

一般には、交流の大きさを表すのに、( 5 )が使われている。

39 / 42

フレミングの右手の法則は、導体を移動する向き、磁界の向き、( 4 )の向きの関係を示している。

40 / 42

水酸化カリウムなどのアルカリ性の溶液を電解液として用いる電池をアルカリ蓄電池といい、( 3 )電池がこれにあたる。

41 / 42

物体どうしの摩擦によって、物体に電気が生じることがある。それは電荷によるもので、電荷の量は電気量で表される。電荷および電気量の単位は( 2 )を用いる。

42 / 42

回路網中の任意の閉回路を一定の向きにたどるとき、回路の各部の起電力の総和と、電圧降下の総和とは等しい。この法則を( 1 )という。

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基本的な電気単位

ファラド(F) – 電気容量の単位:

定義:1ファラドは、1クーロンの電荷を蓄えるのに1ボルトの電圧が必要な電気容量として定義されます。
使用例:コンデンサの容量を表すのに使われます。コンデンサは電荷を蓄積する電子部品で、電荷を一時的に貯めたり、回路内での電圧の急激な変化を抑えたりするのに使われます。
実用的な単位:ファラドは大きな単位なので、実際の回路ではマイクロファラド(μF)、ナノファラド(nF)、ピコファラド(pF)などの小さい単位が一般的に使用されます。

※重要:オーム(Ω) – 電気抵抗の単位

定義:1オームは、1アンペアの電流が流れる際に1ボルトの電圧降下を生じる抵抗の大きさとして定義されます。
使用例:電気回路内の抵抗器による抵抗値を表すのに使われます。抵抗器は電流の流れを制限するために使用され、電流の流れを調整したり、特定の部分に電力を消費させたりするのに役立ちます。

オームの法則:オームの法則(V = IR)は、電圧(V)、電流(I)、抵抗(R)の関係を示し、電気工学の基本的な原則の一つです。
※電流は電圧に比例し、抵抗に反比例する

アンペア(A) – 電流の単位:

定義:1アンペアは、1秒間に1クーロンの電荷が導体の断面を横切る電流の流れを表します。
使用例:電流計や多くの電子機器には、その動作や安全性を決定するために必要な最大電流値がアンペア単位で記載されています。
重要性:電流は電気エネルギーの流れを表し、電気回路の動作の根幹を成すものです。

ボルト(V) – 電圧の単位:

定義:1ボルトは、1アンペアの電流を流すために必要な1ワットの電力を生じる電圧として定義されます。
使用例:電源、電池、電圧計などで電圧値が表されます。これは、電気エネルギーの「圧力」のようなもので、電流を推進する力を示します。
重要性:電圧は電気エネルギーの移動を引き起こす原因となり、電気回路におけるエネルギーの伝達を可能にします。

ワット(W) – 電力の単位:

定義:1ワットは、1秒間に1ジュールのエネルギーが使用される電力の量として定義されます。
使用例:電気機器の消費電力はワットで表され、電力量計(電気メーター)によって消費される電力が測定されます。
計算式:電力は電圧と電流の積で計算されます(P = V × I)。
重要性:電力は電気エネルギーの使用率を示し、電気機器の効率や電気料金の計算において中心的な役割を果たします。

電荷と電気量の単位

※重要:クーロン(C) – 電荷の単位

定義1クーロンは、1秒間に1アンペアの電流が流れるときに移動する電荷の量と定義されます。つまり、1C = 1A × 1s です。
電荷の概念:電荷は物質の電気的な特性を示し、正または負の性質を持ちます。電子は負の電荷を、陽子は正の電荷を持っています。
電荷は静電気や電流の基礎となる概念です。同じ種類の電荷は互いに反発し、異なる種類の電荷は互いに引き合います。
電気量:電気量は、ある点に存在する電荷の総量を表します。これは一般にクーロン単位で測定されます。

電気回路の要素

電気の流れる道筋を電気回路または回路と呼ぶ。
乾電池のように、電気エネルギーを供給する装置を電源といい、電源の内部で電流を流す力を起電力と呼ぶ。
また、豆電球のように、電源から受けたエネルギーを他のエネルギーに変換する装置を負荷といい、直流の電源をもつ回路を直接回路という。

電線には、電流を良く通す銅やアルミニュウムなごが用いられており、これを導体という。
導体を覆うビニルや、スイッチの端子を抑えるプラスチックなどは、電流を通しにくい性質を持ち、絶縁体または絶縁物と呼ぶ。

キルヒホッフの法則

※重要:キルヒホッフの第1法則(電流則)

回路中の任意の分岐点に流れ込む電流の和は、流れ出る電流の和に等しいという法則。
すなわち、「回路網中の任意の分岐点における電流の総和は0である」と言い換えができる。

キルヒホッフの第2法則(電圧則)

回路網中の人気の閉回路を一定の向きにたどるとき、回路各部の起電力の総和と、電圧降下の総和と等しいという法則。

ジュールの法則

熱のエネルギーは、Q=I2×R×tとなる。
抵抗を流れる電流によって発生する熱エネルギーを正確に調べて求められたもので、ジュールの法則という。
また、電流が抵抗を流れることにより発生する熱エネルギーをジュール熱という。
抵抗に流れる電流により発生する熱量、電流の大きさの2乗と抵抗と時間に比例する。
※熱容量=物体の温度を1度上昇されるために必要なエネルギー

電力と電力量

電力

電気エネルギーを発生したり、他の場所に送ったり、消費したりするとき、単位時間あたりの電気エネルギーを「電力」という。
電力の単位にはワット(単位記号:W)が用いられ、量記号はPで表す。

電力量

電気がある時間に行った仕事を電力量という。
P「W」の電力で、t秒間行った仕事、すなわち電力量W「J」はW=Pt「J」で表される。

温度上昇と許容電流

電流による物体温度上昇

ジュール熱が発生して物体の温度は上昇する。物体は周囲の温度差に比例する熱量を放出する。

抵抗に流れる電流により発生する熱量、電流の大きさの2乗と抵抗と時間に比例する。
※熱容量=物体の温度を1度上昇されるために必要なエネルギー

許容電流

絶縁電線に、温度上昇限度を超えるような電流を流すと、最高周囲温度の時、絶縁物は最高使用温度以上となり、好ましくない。
そこで、温度上昇限度を超えない範囲で、最大の電流値を定めておく必要がある。この電流を、その絶縁電線の許容電流という。

ゼーベック効果

AB2種類の金属の両端を接合したものを熱電対という。熱電対の二つの接合点に温度差を与えると起電力が発生する=ゼーベック効果といい、この時に発生する起電力を熱起電力、流れる電流を熱電流という。
熱電対の接合点の温度の高いほうを温接点、低いほうを冷接点という。

ペルチエ効果

一般に、種類の違う金属を接合すると、接合部での熱の発生や吸収が行われる。
この現象をペルチエ効果という。
この効果を利用すると、冷却・加熱などの精密な自動温度調整が容易にでき、材料の温度試験などに使う電子冷熱装置として利用されている。

誘電率

電気の流れやすさを表すには、導電率を使用し、記号にはσ、単位にはジーメンス毎メートル「S/m」を使用する。

ファラデーの法則(電磁誘導に関する)

電流が流れることにより、化学変化が生じ、物質が分解することを電気分解という。
※電気分解によって折出したイオンの物質量は、電解液中を通過すると電気量に比例する。

クーロンの法則

二つの点磁荷の間に働く力の大きさは、両電極の強さの積に比例し、磁極間の距離の2乗に反比例する。力の向きは、両磁極を結ぶ直線状にある。この法則を磁気に関するクーロンの法則という。

フレミングの左手の法則と右手の法則

フレミングの左手の法則

フレミングの左手の法則は、電磁誘導に関連する現象を説明するために用いられる法則です。この法則は、磁場内で電流が流れる導体に作用する力の方向を決定するのに使用されます。特に、電動機などで見られる現象の理解に役立ちます。

  1. 左手を使って、親指、人差し指、中指を互いに直角に広げます。
  2. 人差し指:磁場の方向を指します(通常、北極から南極への方向)。
  3. 親指:導体(コンダクタ)に働く力の方向を指します。これは、電流と磁場に直交する方向の力です。
  4. 中指:電流の流れる方向を指します(正の電荷が移動する方向、通常はプラスからマイナスへの方向)。

この法則により、導体が磁場内で電流と直角の方向に動くとき(または磁場が導体を横切るとき)、導体に働く力の方向を判断することができます。これは電動機の基本原理として重要で、磁場内での電流の動きから生じる運動エネルギーを理解するのに役立ちます。

フレミングの右手の法則

フレミングの右手の法則は、電磁誘導の現象を説明するために使用される法則です。この法則は特に、発電機の原理を理解するのに役立ちます。磁場内で動く導体に生じる誘導起電力の方向を決定する際に使われます。

  1. 右手を使って、親指、人差し指、中指を互いに直角に広げます。
  2. 人差し指:磁場の方向を指します(通常、北極から南極への方向)。
  3. 親指:導体の動きの方向を指します(導体が動く方向)。
  4. 中指:誘導される起電力(または電流)の方向を指します。

この法則により、磁場を横切って動く導体に発生する起電力の方向が決まります。これは発電機で、磁場内で導体(コイルなど)を動かすことにより電気エネルギーが生成される原理に関連しています。フレミングの右手の法則は、そのような状況で誘導される電流の方向を視覚的に理解するのに役立ちます。

フレミング右手の法則:磁場内で動く導体に生じる”誘導起電力”の方向
フレミング左手の法則:導体に働く力の方向(電磁誘導)

方形コイルに働くトルク

長方形に巻かれたコイルを方形コイルという。方形コイルを磁界中に置き、電流を流すと方形コイルにトルクが生じる。

起電力と電気抵抗

電流が流れると、その周りに磁束が生じる。磁束が生じる原動力を起電力「A」という。

磁気抵抗は、磁束「WP」の通りにくさを表している。磁気抵抗は、磁路「WP」の長さに比例し、鉄心の断面積に反比例する。
磁束は、鉄心の断面積が多きほど通りやすく、長いほど通りにくい。

透磁率

透磁率が大きいほど、磁気回路の磁気抵抗が大きく、磁束が生じやすい。磁気回路の透磁率は、電気回路の誘電率に相当する。

レンツの法則(誘導起電力に関する)

誘導起電力は、これによって生じる電流が、コイル内の磁束の変化を妨げるよな向きに発生する法則。

漏れ磁束と磁気遮へい

漏れ磁束

コイルに電流が流れ、磁器回路に磁束が生じる場合を調べると、エアギャップでは磁束が広がろうとし、中心部から離れたところでは、磁束密度が小さくなる。また、鉄心中だけでなく、空間にも磁束はわずかではあるが生じている。このような磁束を漏れ磁束という。

磁気遮へい

磁界中に強磁性体を置くと、周囲の磁束は、磁束が通りやすい強磁性体の内部を通るようになる。この時、強磁束体を中空にしておくと、中空部の中心には外部の磁界の影響がほぼ及ばない。このように、強磁性体で回りを囲み、次回の影響が及ばないようにすることを磁器遮へいという。

磁化曲線

電流「A」が増加して磁界「A/m」が強くなれば、それに比例して磁束密度「T」も大きくなる。この関係をグラフに書いたもの、このような曲線をBH曲線または磁化曲線という。

誘電体内のエネルギー

誘導損

加える電界の大きさと向きを変化させると、電束密度が変化して、ヒステリシス曲線が描かれる。このヒステリシス曲線の面積に比例した電気エネルギーが、誘電体内で熱となって消費される。このエネルギーの損失を誘電損という。

気体中の放電

絶縁破壊によって流れる電流を放電電流という。

部分破壊と全路破壊

針と平板の間に、電圧を加えると、電界が強り針の先端などで、局部的にイオンが接続して作られ、部分的な絶縁破壊、すなわち部分破壊を起こし針の先端が光る。これをコロナ放電という。

電圧を加え電界をさらに強くすると、音と火花を発し、全電極間にわたる絶縁破壊、すなわち全路破壊を起こす。全路破壊には、グロー放電やアーク放電がある。

グロー放電

ガラス容器の中に二つの電極を入れ、低圧力の気体中で、1000V程度の電圧を加えると発光をともなった放電が生じる。このような放電をグロー放電または真空放電という。

アーク放電

グロー放電からさらに電圧を高めていくと、強い光と熱を伴った放電が生じる。これをアーク放電という。アーク放電では、大きな電流が流れ、強い光を発する光柱が生じ、陰極も白熱状態となる。アーク放電は、蛍光ランプや水銀灯などに利用されている。

三相交流の基礎

三相交流の発生

電源と負荷を結ぶ電線が2本必要な交流を単相交流と呼ぶ。しかし、より大きな電力を経済的に送る場合には、送電線のように3本の電線を使うことが多くこの交流を三相交流という。

三相交流起電力の瞬間値の和

対称三相交流起電力の瞬間値の和は、つねに「0」である。

三相電力

三相回路における電力を三相電力とよび、各相の電力の和で表される。深川の各送電を「V」、各相電流を「A」、相電圧と相電流の位相差を「rad」とすれば、電力「W」の単層回路が3つあることと等価である。

標準機

電気に関する物理量を測定する電気計測では、各種の標準機があり、これを基準にして正確な測定を行う。
標準抵抗器は、電流端子と電圧端子が二つずつある4端子の抵抗器である。4端子構造にすると電圧端子間にはほとんど電流が流れないため、接触抵抗やリード線の残留抵抗で生じる誤差を除き、正確な抵抗値を得ることができる。

直動式支持電気機器の構成

駆動装置
指針を振らせるためのトルクを発生する装置を駆動装置という。

制御装置
指針が指示位置で停止するためには、大きさ振れ角に比例し、駆動トルクとは逆向きのトルクが必要となる。駆動トルクを制御する装置を制御装置といい、一般的に渦巻きばねなどが用いられる。

制動装置
指針が指示位置へ、滑らかに早く停止するような制動作用を与える装置を制動装置という。空気制動渦電流制動などの種類がある。

※上記の駆動、制御、制動の三つの装置はいずれも直動式指示電気計器には欠くことができない。これらを電気計器の三要素という。

永久磁石可動コイル形計器

動作原理と特性

磁界中に置かれたコイルに電流を流すと、コイルには電磁力による回転トルクが生じる。永久磁石可動コイル形計器は、この原理を利用した指示計器である。
また、この駆動コルクは、コイルに流れる電流に比例する。したがって、この計器の目盛りは均等であり、動作原理から直流用として広く用いられている。

整流形機器

整流器と可動コイル形機器とを組み合わせて、交流の電圧や電流を測定できるようにした機器を整流形機器という。
整流形機器は交流用計器としては、もっとも感度がよく10kHz程度の周波数まで使用できる特徴がある。

熱電対形計器

熱電対形計器は、熱線に流れる電流の実効値に比例して生じる熱起電力を、可動コイル形計器で測定するようにしたものである。

可動鉄片形計器

強い磁界の中に鉄片を置くと、鉄片は磁化され、固定鉄片と可動鉄片の間に反発力が働く。また、固定鉄片と可動鉄片の位置をずらすことで、吸引力とすることもできる。

電流力計形計器

電流力計形計器は、固定コイルに流れる電流によって生じる磁界と、可動コイルに流れる電流との間の電磁力を、駆動トルクとするものである。
駆動トルクの大きさは、固定コイルによる磁界の強さと、可動コイルに流れる電流の積に比例する。
また、次回の強さは固定コイルにながれる電流の大きさに比例するので、電流力計形計器の指針の振れ角は二つの電流の積に比例する。

ディジタル計器

アナログ量とディジタル量

電圧や電流などのように連続的に変化する量をアナログ量という。
また、パルスをを用い、符号の組み合わせで表されるような離散的な量をディジタル量という。

基礎量の測定

電力計

電力計には、電圧コイル端子および電流コイル端子と呼ばれる端子がある。
電圧コイルには、負荷の両端が加わり、電流コイルには負荷電流が流れるように接続する。

電力量計

交流用の電力量計として、誘導形計器が広く使われている。

抵抗の測定

回路計
回路計は、抵抗、直流電圧、直流電流、交流電圧などが測定できる計器である。

接地抵抗器
接地電極と大地との間の抵抗を接地抵抗という。接地抵抗は交流で測定する。その理由は、直流で測定すると、電極付近で化学変化が起こり、反応生成物が生じる分極作用により、抵抗値が変化するからである。

周波数と力率の測定

周波数計

周波数を測定する計器を周波数計という。
周波数計は、測定する周波数を直接電流に変換する変換器を用い、可動コイル形計器で支持するものである。このような方式の計器の測定範囲は、40~500Hzである。

ディジタル周波数計

ディジタル周波数計は、周波数をパルスに変換し、一定時間のパルス数を計数して表示する方式である。周波数計の測定範囲は、10~数GHzである。