ステンレス鋼やほうろう鉄器などの材質の選択、給水方式(圧力水槽方式、ポンプ直送方式など)、排水横枝管の流速、通気立管の接続方法、衛生器具の材質制限、排水槽の設計、都市ガスの種別と供給方式など、具体的な規格や技術要件に関する詳細な知識が問われています。また、水質基準やトラップの種類とその特性についての知識も重要性が高く出題傾向が高い。
給水に関する機器と構成
構成器具の意義
構成器具とは、給水・給湯および排水など水回りに必要な器具及び付属品の総称。
①水受け容器:大便器・小便器・洗面器・手洗い器・流し・清掃用流し・浴槽など
②給水器具:給水栓・洗浄弁・自動給水栓・シャワーなど
③排水器具:排水金具・トラップなど
④付属品:鏡・化粧棚・石鹸受け・ペーパータオルなど
大便器の洗浄方式
洗浄弁式は、1-7図に示す洗浄弁により給水管の水を直接便器に接続し、給水する方式。騒音は大きいが連続使用が可能であり、学校・工場・事務所など頻繁に使用される場所に適切。
しかし、給水圧力はいかなる場合でも70kpa以上必要である。トラップがつまり、汚水が便ばちに満水しているときに断水などで、給水管が負圧になると、汚水が給水管内に逆流する危険がある。
この現象を防ぐために、洗浄弁の掃出し側に大便器のあふれより150mm以上上方に逆流防止器(バキュームブレーカ)を取り付ける必要がある。
ロータンク式
タンク内に一定量貯留した水を便器へ給水するもので、給水管径が小さくてすみ、給水圧力も一般水栓と同じ程度でよい。
タンクが低い位置にあるので、取付や維持管理が容易であり、主に住宅で使用されている。ただし、一定量貯留するのに時間が掛かるので、連続使用が困難である。
ポンプの種類
(1)ポンプの種類:ポンプは、流体を高いところに汲み上げたり、循環したり、排水したりするのに用いられており、非常に多くの種類がある。
(2)ポンプの並列運転と直列運転
実際の設備では、ポンプを並列または直列に複数台設置することがよくある。
加熱装置
ガスや電気などを熱源として水を加熱する装置で住宅や相互住宅などでは、湯沸し器、ボイラ、貯水槽などの中から、使用目的に適した機種が選ばれる。
太陽熱温水器
太陽熱を利用した給水システムとしては、集熱器の上部に貯湯部を設けた住宅用として最も一般的な自然循環式太陽熱温水器(1-25図a)がある。さらに、集熱器と貯湯槽・集熱ポンプを組み合わせた強制循環式がある。
これには、集熱器に水を通す直接集熱方式(1-25図b)と、不凍液などを通し、貯輸槽で水と熱交換する間接集熱方式(1-25図c)があり、直接式は、集熱効率はいいが凍結のおそれがある。
ボイラ
ボイラとは、火気・燃料ガスまたは電気により水を加熱し、上記または温水として取り出す装置である。その原理はやかんで湯を沸かすことと同じで難しいものではない。
丸ボイラー
円筒型の胴体内に多量のボイラ水を保有し、燃焼室である炉筒や煙管が水中にあって加熱させる。炉筒煙管ボイラがその代表で、構造・取り扱いが簡単で故障が少なく、保有水が多い為、負荷変動による蒸気圧力の変動が少ない。立上り時間が長い。
給水方式
水道直結方式は、直結直圧方式と直結増圧式の2つがある。
直結直圧方式は、水道本管の水圧を利用して直接建物内の必要な箇所へ給水する方式である。
この方式は、3階までの住宅など小規模な建物に用いられ、設備費が安く、停電による断水の心配がない。しかし、断水時は給水が不可能である。
受水槽方式
高置水槽方式は、配水管からの水をいったん受水槽に貯水し、ここから揚水ポンプで建物の屋上またはその他の高所に設けた高置水槽に揚水し、高置水槽から立下り管によって建物内の必要な箇所へ重力で給水する方式である。
この方式は、水道直結方式では適当な圧力が得られない建物などに用いられ、断水や停電の時でもタンクの容量に応じてある程度の給水が可能であり、使用箇所での水圧の変動は少ない。
圧力水槽方式
圧力水槽方式は、受水槽に貯水した水を給水ポンプで圧力水槽に給水して水槽内の空気を圧縮させ、その圧力で建物内の必要な箇所へ給水する方式である。高所に水槽を設置する必要がないので、建物の構造上有利である。
しかし、ポンプの運転のために圧力の制御幅が必要で、給水圧力の変動が大きく、なお停電時の給水は期待できない。また、ポンプの容量も大きくなり、作動回数が多くなるので故障の原因となりやすい。
ポンプ直送方式
ポンプ直送方式は、配水管からの水をいったん受水槽に貯水し、ここから給水ポンプで直接建物内の必要な箇所へ給水する方式である。
停電時の臼歯は、予備電源を設けない限りまったく不可能で、ポンプや制御などの費用が高く、小規模建築など割高なものとなる。
給油に関する機器と構成
給湯方式には、中央給湯方式と局所給湯方式がある。
中央給湯方式
一カ所の加熱装置から貯湯槽と循環配管を経由して必要な箇所に給湯する方式で、ホテル、旅館、病院などに用いられる。
局所給湯方式
給湯を必要とする箇所ごとに湯沸し器などの加熱装置を備えて給湯する方式である。
(1)瞬間式:ガス出棺湯沸し器など給湯過疎hに近い位置に設置し、俊司最大流量を供給温度まで加熱する必要がある。
(2)貯湯式:給湯使用量が多い場合、瞬間式では加熱能力が大きくなりすぎるので、貯湯式とする。
高層建築の給湯方式
給湯圧力と給水圧力をバランスさせるために給水設備と同様にゾーニングを行う。機器集中式は、建物の最下層の機械室などに全ゾーンの機器を集中して配置するので、維持管理が容易である。しかし、上層ゾーンの貯水槽には高い圧力がかかる。
排水の種類
汚水とは、大小便器などから出る人間の排泄物を服す排水の事である。
雑排水とは、台所・浴室・洗面所などからの排水は様々な汚れをもった排水であり、これを雑排水という。排水の状態が様々な汚れとなっている。下水道の処理区画以外では、合併処理浄化槽で汚水と合わせて処理しなければならない。
排水の方式
飲食用機器や医療機器などの排水では、排水管詰まりにより逆流などが発生し、汚染する可能性がある為間接排水とする。
①冷蔵庫・水飲み器・滅殺菌・消毒器・プールなどの排水管、及び飲料水用タンクなどの水抜き管・OF管などの排水では確実な間接排水を行う為に、排水管端と水受け容器の間に、管径に応じた距離の排水口空間を確保する必要がある。
②洗濯機・給水や給湯ポンプからの排水・冷凍機や空調機器からの排水などでは、排水口空間または、排水管端を水受け容器内の浅井一で開口する排水口開放とする。
下水道の種類
下水道には、公共下水道、流域下水道、都市下水道がある。
下水道には、汚水と雨水を同じ管きょ系統で排除する合流式と、別々の管きょ系統で排除する分流式の二つの方式がある。合流式は、管きょが1本で施工も容易経済的。管きょが大きいことにより点検・補修・清掃などの維持管理も容易である。
しかし、雨水量が汚水量の3倍を超えると、汚水の一部が雨水とともに河川などに放流され、汚濁の原因になる。晴天時には、汚水が沈殿、腐敗して悪臭を発し、これが雨水量の多いときに河川に放流されて汚濁の原因となる。
このことにより、近年では分流式により下水道を整備することが原則となっている。
排水トラップ
①封水深
トラップは、衛生器具または排水系統中に設けられるもので、内部に封水深をもち、排水の流れに支障を与えないようにしたものである。トラップ内に残った排水は、ふたの役割を果たし、管内に発生する下水ガス・臭気や衛生外注が排水口から室内に侵入してくるのを阻止する。
封水深はトラップの自掃作用に対する考慮から、特殊な物を除き50~100mmと規定されている。
②種類
1.管トラップ(サイホン式トラップ)
管路の一部を屈曲させて水をためたもので、Pトラップ・Sトラップ・Uトラップがある。小型の自掃作用はあるが、封水が破られやすい欠点がある。
2.ドラムトラップ
管内の一部にドラム上の水たまりをもうけたもので、ドラムの内径は排水管径の2.5倍を基準としている。封水の多量のため破られる恐れはないが、ドラム内で流速が落ちて沈殿物が溜まるので、点検・掃除の容易なものでなければならない。
3.逆わんトラップ
わん形器具を上に向けて封水を構成し上から管を入れ、横に穴を開けて、逆方向に排出するもので、低床型ユニットバスや洗濯機パンの排水口に用いられる。
※二重トラップ
トラップは、各器具ごとに設けるのが原則であるが、いかなる場合でも同一排水系に直列に2個設けてはならない。トラップを2個設ける事を二重トラップといい、二重トラップにすると円滑な排水ができなくなり、封水も失われやすくなる。
排水立て管
排水立て管とは、排水横枝管・器具排水管または危機からの排水をまとめて、排水横枝管または排水横主管へ導く立て管をいう。
排水は、全断面を占めて流下するが、このとき流速は流下距離に比例して急速に増大するが、管壁と摩擦損失が流速の2乗に比例して増大するため、最終的に両社がつりあい一定の速度となる(終局速度)
排水設備機器
ア 排水槽は建物の床面積の基礎空間に設けるのが一般的で、コンクリート製が普通である。通気装置以外から匂いが漏れないよう気密につくり、マンホール(60cm)は密閉型のものを利用する。
イ 排水槽は、年2回以上の清掃をしなければならない。同時に排水ポンプや液面制御装置なども点検する。
排水ます
ますとは、敷地排水管の起点・合流点や直管が長い場合(管径の120倍を超えない範囲)に設置する箱型、丸形の形をしているものである。
雨水ます
雨水管に設置するもので、流入管と流出管には20mm程度の管底差を設け、雨水中の泥を除去するために150mm以上の泥溜まりを設ける。
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